墓地での「作法」

お墓参りの作法【守るべきマナー】服装や時期、持ち物、流れとは

日本の伝統的風習「お墓参り」。古くから伝わるからこそ、様々な作法やマナーがありそうですが、実際はどうなのでしょう。服装や時期、手順に決まりはあるのでしょうか。

目次
1.お墓参りのマナー
2.服装
3.時期
4.持ち物
 4-1.お参りに必要なもの
 4-2.掃除に必要なもの
5.お墓参りの流れ
6.注意点
 6-1.霊園の決まりに従う
 6-2.宗派によるお墓参りの違い
7.まとめ

1.お墓参りのマナー

お墓参りに正解はありません。特別な作法もありません。大切な故人やご先祖さまに感謝し、手を合わせる。その行為が大切です。

とはいえ、基本的な心得や手順は身につけておきたいものです。家族のお墓、親戚のお墓、友人のお墓など、お参りに行く先によって宗派やその家の慣習に違いこそありますが、基本の流れは同じです。一般的な作法さえ身につけておけば問題ありません。ぜひ故人や先祖を想う気持ちを大切に、気軽にお墓参りに出かけましょう。

2.服装

服装に規定はありません。故人に逢いに行く。そんな感覚のカジュアルな服装で問題ありません。むしろお墓のお掃除を行いますから、動きやすい普段着の方が適しています。

とはいえ、他の墓参者への配慮も必要です。あまりにも派手な色やスタイルは避けましょう。また、墓地内には芝生や砂利道があったりします。女性の場合、ピンヒールは危険なので歩きやすい靴の方が安心です。

ただし、回忌法要などの行う場合は例外です。お坊さんを呼んだりする特別なケースは、礼服や黒のスーツを着用します。

3.時期

お墓参りに行く時期に決まりはありません。一般的には、春彼岸、お盆、秋彼岸、故人の命日、回忌法要などにお墓参りに行く方が多いようです。お墓が遠方にある方は、年末年始やお盆、ゴールデンウィークなどの長期休暇に、お墓参りに足を運んでいるようです。しかし、お墓参りに行く時期に特別な決まりはありません。思い立った時、いつ行ってもいいものです。

就職、結婚、出産、子供の進学など、人生の節目に、故人への報告を兼ねて家族揃ってお墓参りをする方も少なくありません。

4.持ち物

お墓参りに決まった持ち物はありません。最近では、お花やお線香、清掃用具など、必要なものを全て霊園で取りそろえて販売している場所もあり、手ぶらでお参りができるところも増えています。

しかし、次のものはお墓参りに行くたびに使うものですから、一式用意しておくことをお勧めします。

4-1.お参りに必要なもの

数珠・お線香・ライター(チャッカマンは着火しやすいのでお勧め)・お供え物(故人の好きだった食べ物や飲み物)・お花(お花に特に決まりはなく、色も何色でも結構です。ただし、刺がなく、匂いや花粉の少ないものを選びましょう)

4-2.掃除に必要なもの

ぞうきん・バケツ・ゴミ袋・掃除の時に使うゴム手袋・草むしりに使う軍手など

5.お墓参りの流れ

①掃除
墓前で合掌してから、枯葉など目立つゴミを拾い、水を含んだ柔らかいスポンジや雑巾で墓石の汚れを落とします。落ちづらい汚れがある場合は、タワシなどを使っても問題ありません。しかし、彫刻の部分や角は非常に欠けやすいので注意が必要です。

②打ち水
掃除が終わったら、手桶にきれいな水を汲み、柄杓で墓石に打ち水をして清めます。水は清浄の象徴です。そのため、水をかけることで、ご先祖さまの霊を清めることができるとされています。

③お供え
花立にお花、水鉢(墓石中央のくぼみ部分)に水を入れ、お供え物を供えます。

④合掌
お線香をあげ、合掌します。この時、お線香の火は決して口で吹き消さず、手をあおぎます。なお、お参りする順番は、故人と近しい間柄の人から順番にお参りするのが一般的です。

⑤片付け
お参りが終わったら、お供え物は持ち帰ります。そのままにしておくと、墓石を炒めたり、カラスが食べ散らかしたりするためです。

お花に関しては、霊園のルールに従いましょう。そのままにしておいてもいいところもあれば、持ち帰ることが義務付けられている霊園もあります。

6.注意点

6-1.霊園の決まりに従う

お墓参りに特別な決まりはありませんが、唯一あるとしたら、それは霊園ごとのルールや使用規則を守ることです。例えば、「火災防止のため芝生墓所ではお線香をあげない」や「ペットの入園禁止」、あるいは開園時間などです。

しかし、文面化されていないことも多々あります。その場合は、他の墓参者への配慮を忘れないようすれば問題ありません。

6-2.宗派によるお墓参りの違い

お墓参りの作法は、宗派によって異なります。お線香の本数、あるいはお線香を折る折らない、立てる寝かせるなど、さまざまなしきたりがあります。神道では、お線香やお花ではなく玉串(榊)をお供えします。

また、宗派の違いだけでなく、地域や家族ごとによっても異なります。

お墓参りに作法はありませんが、「郷に入りては郷に従え」です。わからない場合は、お墓参りに同行するご家族のやり方を見て倣うとよいでしょう。

7.まとめ

お墓参りに決まりはありません。特別な作法もありません。大切なのは、お参りする心や想いなど、目に見えないものです。

細かな作法にとらわれ過ぎず、気軽に、あなたなりのお墓参りをしてください。

 

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